オーバーフェンダーの車検対応

オーバーフェンダーは、タイヤとホイールが自動車のボディーからはみ出している場合にフェンダー(ホイールアーチ部)に装着する部品です。タイヤやホイールについては、自動車の車体からはみ出している場合や干渉がある場合には保安基準に適合しませんが、ボディーからはみ出している場合は、オーバーフェンダーを装着することで保安基準に適合することが可能になります。ただし、車両の全幅に対して±20mmを超える変更を行う場合については、構造等変更検査を受けなければなりません。つまり片側10mmを超えるオーバーフェンダーを追加する場合は、構造等変更検査を受けなければなりませんが、逆に10mm以下のオーバーフェンダーについては、オーバーフェンダーではなく、フェンダーモールやフェンダーカバーといい、それらを装着する場合は車検においても構造等変更検査は不要でそのまま問題なく車検を受けることができます。これは、軽自動車においても同様ですが、フェンダーモールやフェンダーカバーを外した際にボディからタイヤがはみ出している場合は、陸運局によって見解が異なる場合がありますので、車検の際には事前に確認しておいたほうが安心です。

オーバーフェンダーが標準装備されたGT-R

オーバーフェンダーが初めて量産車に標準装備されたのは、スカイラインGT-R(KPGC10)でした。通称ハコスカと呼ばれるスカイラインGT-R(KPGC10)では、リヤのホイールアーチにオーバーフェンダーが装着されて話題となりました。また、その次のモデルとなったケンメリの愛称で親しまれたスカイラインGT-R(KPGC110)では、フロントとリヤの両方のホイールアーチにオーバーフェンダーが標準で装備されていました。1960年代から1970年代に掛けてのスポーツモデルやスポーティモデルでは、このオーバーフェンダーは好みが分かれるところではありましたが、車好きの間ではオーバーフェンダーがとても人気があるパーツの一つで、スカイラインだけでなく、フェアレディZ(S30)やカローラレビン、スプリンタートレノ(TE27)などにもオーバーフェンダーを装着するユーザーも多く、数多くの車で見ることができました。

最近のオーバーフェンダーの傾向

オーバーフェンダーの目的は、タイヤサイズを変えることによる性能向上が目的です。現在でも競技車両においては、オンロードでもオフロードでも、性能向上を目的にタイヤサイズやトレッドを変更してオーバーフェンダーを装着する例は数多く見受けられます。特にオフロード車では、マニアの多いスズキの軽自動車のジムニーやランクルの通称で親しまれているトヨタのランドクルーザーシリーズ、ランクル100、ランクル200あるいはプラド120などではオーバーフェンダーは人気のアイテムです。また、最近では性能よりも外観を重視したドレスアップにおいてもタイヤとホイールのインチアップが欠かせません。オーバーフェンダーが注目される車種はさまざまで、ニッサンのキューブ、トヨタのハイエース、三菱のデリカスペースギアなどのミニバンやワンボックスカーにもドレスアップパーツとしてオーバーフェンダーが用意されています。また、タイヤが細くて小さい軽自動車においてもドレスアップパーツとしてオーバーフェンダーが欠かせない存在になってきています。軽自動車では、先ほどのジムニーに加え、スズキのカプチーノなどのスポーツモデルだけでなく、ホンダの軽自動車のバモス、ライフやダンクなどでも装着する例が多くなっています。

Copyright © 2008 オーバーフェンダーの車検対応と動向